スキャナと裁断機をレンタルして自炊した全記録

十年以上買い集めてきたので、流石に本がたまってきたと感じていた今日このごろ。優に100冊くらいはあるだろうか。
しかも大半は技術書なのでかさばる。かさばる本は出し入れや持ち運びが大変なので結局読まなくなる傾向にあった。
読む機会を増やすには、手軽に持ち運べる状態にすることが肝要と思い、スキャンして電子化することにした。

機材をレンタル

今後新たに買う本は極力電子版を買うとして、今ある紙の本をスキャンできればそれでいい。そのためスキャナや裁断機はレンタルでかまわない。レンタル業者にはスキャレンを選んだ。この場合スキャナはPFU ScanSnap S1500になる。
レンタルの申し込みの際には現住所を証明する書類が必要になる。自分の場合はNTTの請求書をデジカメで撮影して申し込みフォームで添付した。
料金は送料を含めると一週間レンタルするコースで7000円程度。PayPalからクレジットカードで決済する。
申し込んでから一週間ほど経ってからスキャナと裁断機が送られてきた。

ダンボールを開封したところ。中にはスキャナと裁断機、スキャナのマニュアルとドライバのCD、ケーブルなどが入っている。全部で20kg以上あるので腰を痛めそうになる。

裁断機を取り出したところ。でかい。重い。

スキャナのセットアップをしたところ。思ったよりコンパクトである。

きれいに裁断するためには、事前に100枚ぐらい単位で本を解体する必要がある。カッターで本を二つに分けたところ。

背表紙から十分マージンを取っておかないと糊が残ってスキャナが詰まるので後で苦労する羽目になる。

スキャナについて。SnacSnap S1500には一度に50枚ぐらいまでしか入らないので、何度も細かく手差しする必要がある。これがかなり面倒臭かった。読み取るスピード自体は速く、分速20枚くらいで読み込む。カラーではOCRが働かないので、カラーの本でも涙を飲んで白黒でスキャンした。白黒であればスーパーファイン画質(600dpi)でも300ページの本で20MBほどですむ。これがカラーだと5〜10倍くらいにはなるから驚きだ。このぐらいのサイズであればNexus7でもサクサク見られる。本文内検索のためにはスキャン後にOCR処理が必要になる。これは時間がかかるので寝てる間や、スキャナ返却後に後回し。なにしろ一週間しかないのだから。

結局、全部の本をスキャンするには丸二日くらいはかかった。ゴールデンウィークなどのまとまった時間がないときつい作業である。手間を考えると、裁断ブックマートのように、裁断だけを代行してくれる業者を利用し、スキャナだけをレンタルないし購入するというのがいいかもしれない。ユーザからしてみれば自炊全体を代行してくれる業者が一番ありがたいが、現行法ではスキャン作業は本人がやらないと私的複製にならないという。

そしてスキャン後の本の残骸。

十年以上かけて集めてきた本を捨てることに対しては一抹の寂しさもあったが、このまま置いておいても邪魔すぎるので古紙の日に一思いに捨てた。
スキャナと裁断機は元のダンボールに収めて、着払いでレンタル業者に送り返す。返送のための送り状も入っているので、それを貼るだけである。ヤマトのWebサイトから集荷依頼を出して、引き渡して終わり。

その後

PDFはDropboxで管理することにした。Nexus7との同期も簡単。

A4の本でも横にすれば普通に読める。

感想

前述した通り、スキャナに一度に入れられる枚数が少ないので常にスキャナに張り付いていなければならないなど、拘束時間が長い。自分の人件費のことも含めて考えると、自炊代行が認められるならばそれが一番であろうと思う。
最近では自炊代行業者に著作権使用料を納めさせることで自炊代行を認めるという動きもある。
「自炊」代行を認めるルール作りへ、作家など「Myブック変換協議会」設立
ソニー著作権保護機能に拘ったためiPodに負けたとも言われる。CCCDも結局は売れなかった。どのような形であれ、著作権を守るためにユーザの利便性を犠牲にしてしまっては、そもそもの利益の源泉であるユーザが離れてしまうので本末転倒ではないかと思う。