大学院入試の願書と一緒に小論文を提出する必要があるらしい。

今現在やっている研究のこと、そこの大学に入って何がしたいのか、その動機についてA4で2ページにわたり書き連ねる。
ということで自分は最終的に何がしたいのかを考えてみる。少し大風呂敷を広げるくらいがちょうどいいよね。
要約すると、科学技術の進歩を爆発的に促進させて、自分が生きている間にその恩恵にあずかりたいということになる。ガンが無くなって欲しいとか、核融合炉が出来てエネルギーの心配をしなくて済むようになって欲しいとか、誰しもが欲するところなんじゃないかな。しかし実際のそういった研究は専門の人達がやればいいわけで、自分がやろうと思っていることの骨子はその流れを加速させることにある。
とりわけコンピュータによって人間の知的作業を補助するシステムを作るということは重要であるように思える。その為には変化する状況にも適応する柔軟なシステムが必要であり、それが学習を研究しようと思った動機になっている。
もちろん、「人間の知的作業を補助する」という目的は他の手段をもってしても達成できる可能性がある。例えばOSがそうだし、インターネット全体から自分の欲する情報のみを正確に抽出できるような技術*1など、知識の集積とアクセスに関して研究する知識工学というジャンルも魅力的に感じている。さらに過激な(あるいは自然な?)アプローチとしては人間の脳をコンピュータに接続するという考え方もある。実際にはこれらのいくつかのアイディアが複合的に組み合わさって実用システムとして提供されるのだろう。

卒業研究のテーマとして強化学習を選んだことにもそれなりの理由がある。Lispをはじめとするインタラクティブなプログラミング環境をつかっていると、環境と対話しながらあれこれ試行錯誤した結果として新しい物が生まれてくることを感じる。これは絵画などにも共通する性質だと思うが、つまり人間の創造性というものは環境と人間との間の試行錯誤の結果に生まれてくるものなんじゃないか、という漠然とした見通しがあった。この考え方に強化学習は近い。

いずれにせよ応用を視野に入れた研究がしたい、ということを書こう。

*1:詳しくないが、Web2.0ではページはメタデータを備えて検索エンジンに構造化した情報を与えるらしい