直観と創発

ある三角形を見せられて、「この三角形の重心はどこですか」って聞かれたら「だいたいこの辺。」って答えられるよね。棋士は最初の数秒で打つべき手が決まり、あとの時間はその手の論理的な正しさを検証するための時間だという。これらはすべて「直観」で言ってるんだけど、じゃあなんで精密に計算したわけでもないのに分かるのかよ、ということになる。
直観というのは過去の経験から直接的に導かれるものであり、合理的というよりもむしろ感覚的なもの、無意識の知識・知覚から生まれるものとされている。これは脳が顕在化していない沢山の情報からボトムアップの手法でルールを創発しているためだと考えられている。
直観を機械に導入するにはどうしたらいいのかな。機械に導入した時点で直観とは呼べなくなるかもしれないけど。神経ネットワークを模して多数のニューロンに並列計算させ、創発を起こさせるようにするとできそうだけど、そんなに簡単にはいかないだろう。あるいはもっと現状のコンピュータのアーキテクチャに合った創発のための(ボトムアップ的な?)モデルを導入できれば話は早いんだけど。
いずれにせよ創発というのは沢山の懸案事項の相互作用から生まれてくるものなんだから、並列的に動く多数のエージェントが肝なんじゃないかと思うんだけど。