自己言及

次の文は誤りである
前の文は正しい

これは典型的な自己言及のパラドクスを2つの文で表したものです。
上の文が正しいなら、下の文は誤りである必要があり、下の文が誤りであるなら、上の文は誤りである必要があり、上の文が誤りであるなら、下の文は正しくなければならず…
これは無限に続き、それが続いている限りは2つの文は常に真であり続ける。しかし証明はできない。これは計算が終わらない、ということでもある。チューリング機械の決定不能性とゲーデル不完全性定理は結論のところで一致している。

2つの文の関係はメビウスの帯の表と裏のようなもので、一歩引いて見ればそれは輪のように繋がっている。

帯の上を歩いていたのでは無限にループしていくだけ。帯のつくる輪から抜け出してその構造の全体を眺め受け入れるのが再帰プログラムの肝なのかも。