サイボーグ技術が人類を変える

っていう番組が昨日の夜NHKであったのね.再放送で. 筋電を検知して義手を動かすとかカメラを脳の視覚野に繋いで全盲の人に光を取り戻させるとかはスラッシュドットとかでみていて知っていたことは知っていたけど,テレビで見て改めて凄い技術だなあーと思った.
脳が直接機械を制御するというのが普通の着想だろうけど,逆のアプローチ,つまり"機械によって脳を調整する"という考え方に基づいて脳の深部に電極を埋め込むことでパーキンソン氏病の症状などを消す技術も既に実用段階らしい. すごい逆転の発想.
ところでERIXにネイサンという外科の学生がでてくる. ネイサンは進行性のパーキンソン病で, ES細胞による再生医療パーキンソン病や遺伝病が不治ではなくなると信じている. 彼曰く,「あと五年もあればES細胞は実用になる. 政治が科学の発展を邪魔しているんだ.」 ERIXが放送されてから五年もたっていないけれど,別のアプローチからパーキンソン病は解決されつつある. それくらい最近の技術の進歩のスピードは速いってことですよ.
障害者や病気の人の機能を補完するような技術ばかりではなく,新たに人間に機能を付与する可能性も示唆されていた. つまり脳-マシン間インターフェース. ここまでいくと攻殻機動隊の世界だけど,もし実現可能なら人間とコンピュータとの関わり方を一変させるものになるだろうと思う. 記憶を外部化し,共有したり,言語以前のイメージの段階で通信し合うことすら可能になるかもしれない. タチコマがデータを並列化するのと同じようなことが人間にも起きるのだろうか. そうなったとき人間というのはどうなってしまうのかな.記憶はアイデンティティとしての象徴性を失なって,個人の定義が揺らぐことになる.